歯がズキズキと痛い理由はコレ!

こんにちは。歯科医師の森です。

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さて、今回は...「歯がズキズキと痛い」時のひとつの病態である、「歯髄炎」について、お話していきたいと思います。

 

「歯がズキズキと痛い」と一言でいっても...

キーンと水に冷みて痛い、食べた後ズキーンと痛い、
急にズキズキと痛いなどといろいろあると思いますが...

 

【どんな時に歯を抜くの?】

 

ズキズキと脈を打つように痛い症状になったら、
神経が感染してしまっている場合が多いです。

では、神経の感染はどうして起きるのでしょうか?

 

ズキズキ痛くなる原因の一つは虫歯によるものです。


他には打撲などによって歯が破損して、神経が露出した場合、
打撲によって根尖の神経が断裂してしまった場合、

さらには歯周病が進行して歯根の先のほうまで歯槽骨の炎症が広がり

、それによって根の先から神経のほうへと、炎症が波及したような場合
(逆行性歯髄炎)などがあります。

 

【歯の神経の治療の流れを分かりやすく解説】

 

次に、このような炎症が起きることによって、
ズキズキとなるのはどうしてでしょうか?

主には細菌が関与しています。

 

つまり、虫歯が深く象牙質にまで達して細菌が象牙細管を通り、
内部に侵入し感染して、そこに炎症を起こします。

 

神経は硬い組織に囲まれているため、内圧が高まることで
神経を圧迫し、ズキズキとなる原因となる訳です。

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さらに、ズキズキと歯が痛いとなり激痛が走るようになるのは、

細菌だけではなく"神経"自体も関与しているからです。

前述のように、刺激が神経に伝わると、刺激によって、
神経細胞に含まれる神経ペプチドが出現し、
これがまず局所的に血管を拡張させ血管の透過性を亢進させます。

 

つまり炎症が起こることになります。
血管透過性が高まると血液成分が血管から外へ出て
(炎症性滲出)、その結果圧が高まります。

 

なぜ圧が高まるかといえば、細菌感染による炎症と同様に、
神経は硬い組織に囲まれているためです。

 

【重度歯周病の恐怖! ぐらつく歯はどうする?】

 

そして、圧が高まれば細静脈を圧迫して血流が悪くなり、
血栓ができたり血圧が低下したりします。
血栓ができたり血圧が低下すれば、
その先の組織は酸素不足になりますから、
結果としてズキズキ痛い原因となる「壊死」が起こります。

 

そして組織が壊死すると、組織内には破壊産物がたまり、
その蓄積により血管の拡張と滲出が起こり、
内圧はもっと高まります。

 

このような歯髄壊死に、さらに細菌感染が起これば、

組織は当然のように「壊疽」になります。

壊疽すればガスも発生しますから、一層内圧は高まります。
歯髄炎になると、ズキズキとどうしようもなく歯が痛いのはそのためです。

 

この治療にはどのようなものがあるのでしょうか?

歯がズキズキと痛い症状が比較的軽く、持続性ではない場合は
歯髄充血の可能性もあるので、

その場合は感染した象牙質だけを取り除き
虫歯の穴に仮のセメントを詰めて経過観察し、

歯がズキズキと痛い症状が出現しない場合は神経を残します。

しかし、歯がズキズキ痛い症状が激しい場合は
神経を取り除いて根管治療をします。

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ただ、ここで注意しなければならないことは、
神経がなくなれば枯れ木みたいに歯はもろくなるので、
神経を抜かなければならないとき以外はできるだけ残す治療をします。

 

【歯の神経治療のメリット・デメリット】

 

そして、「根管治療」とはどのようなものなのでしょうか?

神経を取る(抜髄)ことから始まって、
根管拡大・清掃、根管充填にいたるまでの一連の作業を
いいます。

 

これは体験した方ならご存知のように、
歯科医も患者さんも双方が大変で手間と時間のかかる治療です。

細菌感染した神経を根管内から徹底的に取り除く
作業(抜髄)は、根の形態が複雑なため、かなり難しいものがあります。

 

そのため、根管の形、方向、長さ、湾曲の有無、
歯槽骨との関係や根周囲の骨の状態を知る必要があるので、
レントゲン撮影をしてその様をよく観察します。

 

そして抜髄、根管清掃、根管充填のしやすい形をつくるために、
針のような器具(ファイル)を使って根管の拡大を行います。

無菌状態になったと判断した時に、
ゴムを細い針状にして硬くしたもの(ガッタパーチャポイント)
を使用して根管充填して後からズキズキ痛い症状が出ないようにします。

 

この時、根管に何本もポイントをつめこんで、
根管の根元までびっしり"根栓"します。

 

最後に、歯がズキズキと痛い炎症を放置するとどのようになるのでしょうか?

 

歯髄炎は根管内に起こり、そこで発生した膿やガスは
何とかして外へ出ようとし、
根尖から骨を破って外へ出てきます。

つまり、根管内に起こった炎症は直ぐに
根尖周囲に波及して、根尖性歯周炎を併発します。

 

そのメカニズムとしては、根尖周囲の骨組織に、
壊死し感染した組織(抗原)が根管内から出てくると、
免疫反応(抗原抗体反応)が起きて、
その結果として周辺の骨は破壊され空洞が生じます。

 

そして、さらに膿の出口として内外に向かって骨破壊が進行し、
歯肉を貫通して外へ膿が放出されます。

この進行には急性と慢性があり、
歯肉や頬の腫れを認める他、急性の場合には、
歯がズキズキと痛いという症状を伴うことになります。

 

皆様、最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
そして、ご苦労様でした。

 

ズキズキ痛い原因である「歯髄炎」については、大体お解りいただけたでしょうか?

解らない点がございましたら、お気軽にご質問ください。