歯茎に白いできもの?フィステルの原因を歯科医師が解説
「歯茎に白いできものができた」「歯茎にニキビのようなものがある」「押すと膿が出てくる」「一度なくなったのに、また同じ場所が腫れてきた」。
このような症状がある場合、「フィステル」と呼ばれる状態が関係していることがあります。
フィステルは、歯の根の周囲などで起きている炎症によって生じた膿が、歯茎から外へ出るための通り道となっている場合があります。
特徴的なのは、必ずしも強い痛みがあるとは限らないことです。
膿が外へ排出されることで腫れや痛みが一時的に軽くなり、「自然に治ったのかな?」と思ってしまうこともあります。
しかし、歯茎のできものが小さくなったり消えたりしても、歯の根などに原因が残っていれば、再び同じ場所にできることがあります。
成城歯科ファーストデンタルクリニックでは、歯茎のできものだけを見るのではなく、なぜそこにフィステルのような症状が生じたのかを確認することが重要だと考えています。
特に、以前に神経を取った歯の近くにできものがある方、同じ場所が何度も腫れる方、膿が出る方は、一度歯科医院で原因を確認することをおすすめします。

歯茎のできもの・膿が気になる方へ
フィステルとは?
フィステルは、歯茎にできる小さなおできやニキビのように見えることがあります。
白っぽく見える場合もあれば、赤くぷくっと膨らんで見える場合もあります。
患者さんからは、「歯茎に白いニキビができた」「歯茎に小さなできものがある」「押すと膿のようなものが出る」「何度潰してもまたできる」「できたり消えたりを繰り返している」といった訴えで相談を受けることがあります。
フィステルそのものが病気の原因というよりも、歯の根の周囲などで生じた炎症による膿が外へ排出される出口として現れている場合があると考えると分かりやすいでしょう。
そのため、表面に見えているできものだけを処置すれば問題が解決するとは限りません。
重要なのは、フィステルにつながっている原因を調べることです。

痛くないフィステルなら放置しても大丈夫?
「痛くないので、そのままでも大丈夫でしょうか?」
これは成城歯科ファーストデンタルクリニックでも患者さんから聞かれる疑問の一つです。
フィステルでは、膿が歯茎の出口から排出されることで内部の圧力が下がり、強い痛みを感じないことがあります。
- 歯茎が腫れる
- 膿が出る
- できものが小さくなる
- 痛みもなくなる
- 「治った」と思う
- しばらくするとまた腫れる
という経過を繰り返すことがあります。
「できものがなくなった=原因まで治った」とは限らないところが重要です。
例えば歯の根の先に感染や炎症が残っている場合、歯茎のフィステルが一時的に消えても、原因そのものが残っている可能性があります。
逆に、ある日突然腫れが強くなったり、噛んだときに痛みを感じたりすることもあります。
そのため、痛みがあるかどうかだけで受診の必要性を判断するのではなく、同じ場所に繰り返しできものができる場合には、一度原因を調べることが大切です。

痛みがなくても、繰り返すできものは原因確認が大切です
フィステルができる主な原因
フィステルができる原因は一つではありません。
歯の神経の状態、過去の根管治療、歯根の破折、歯周病など、さまざまな原因が考えられます。
そのため、見た目だけで原因を決めつけることはできません。
1.歯の神経が死んでいる
虫歯が深く進行して歯の神経まで細菌感染が及んだ場合、歯の神経が壊死することがあります。
また、虫歯だけではなく、過去に歯を強くぶつけたことなどがきっかけとなり、時間が経ってから神経が壊死する場合もあります。
神経が壊死すると、歯の内部で細菌が増殖し、歯根の先に炎症が生じることがあります。
その結果、膿がたまり、その膿の出口として歯茎にフィステルができることがあります。
神経がすでに壊死している場合には、むしろ強い痛みを感じないこともあります。「痛くないから虫歯ではない」とは限りません。
2.以前に根管治療をした歯に再び炎症が起きている
「何年も前に神経を取った歯なのに、なぜ歯茎にできものができるの?」と思う方もいるでしょう。
一度根管治療を行った歯でも、歯の内部で細菌感染が再び起こる場合があります。
被せ物の内側から細菌が侵入した場合や、複雑な根管の中に感染源が残っている場合など、原因はさまざまです。
このようなケースでは、必要に応じて再度根管内を清掃・消毒する「再根管治療」などが検討されます。
昔神経を取った歯の近くに繰り返しフィステルができる場合には、過去に治療した歯だから大丈夫と考えず、一度確認することが重要です。
3.歯の根が割れている
歯根破折によって炎症が起こり、フィステルが形成されることもあります。
特に神経を取った歯は、残っている歯質の量などによっては割れるリスクが高くなることがあります。
また、歯ぎしりや食いしばり、強い噛み合わせの力などが関係する場合もあります。
歯根破折では、割れている位置や程度などによって治療方針が大きく変わります。
根管治療をすれば必ず治るというものではないため、原因を正確に診断することが大切です。
4.歯周病などが関係している
歯の根の先からではなく、歯周病による深い歯周ポケットなどから炎症や膿が生じている場合もあります。
歯周病が進行すると歯を支えている骨が失われ、歯茎が腫れたり、膿が出たり、歯が動いたりすることがあります。
また、インプラントの周囲に炎症が起きているケースなど、似たような症状を示す状態もあります。
つまり、「歯茎にできものがある」という見た目だけでは、歯の根が原因なのか、歯周組織が原因なのかを判断できない場合があります。
フィステルができたり消えたりするのはなぜ?
フィステルについて特徴的なのが、「昨日まであったのに今日は小さくなっている」「何週間かするとまた同じところにできる」という現象です。
内部にたまっていた膿がフィステルから排出されると、できものが小さくなることがあります。
そのため、患者さんから見ると「自然に治った」ように感じます。
しかし、感染源が残っている場合には、再び膿がたまり、同じような症状が出る可能性があります。
自分でフィステルを潰して膿を出しても、歯の根などにある原因そのものを取り除いたことにはなりません。
繰り返すこと自体が、原因を調べるきっかけになります。
フィステルを放置するとどうなる?
フィステルを放置した場合の経過は、原因となっている病気や炎症の程度によって異なります。
すべてのフィステルが同じように進行するわけではありません。
しかし、歯根の周囲に感染がある場合、治療を行わずにいると炎症が続く可能性があります。
炎症が拡大すれば、歯を支える周囲の骨に影響が及ぶこともあります。
また、それまでほとんど痛くなかった歯が、急に腫れて痛くなるケースもあります。
- 何度も同じところが腫れる
- 膿が出る
- 噛むと違和感がある
- 以前神経を取った歯の近くにできた
- 歯がグラグラする
- 顔まで腫れてきた
このような場合には、放置せず歯科医院で診察を受けることをおすすめします。
フィステルができたら歯科医院では何を調べる?
フィステルの治療では、まず原因を確認することが重要です。
成城歯科ファーストデンタルクリニックでは、歯茎のできものだけではなく、その周囲の歯や歯周組織などを確認します。
口腔内の診察に加え、症状に応じてレントゲンなどによる画像検査を行い、歯根の周囲に炎症がないか確認します。
また、必要に応じて歯周ポケット、歯の動揺、噛んだときの症状、歯の神経の状態などを調べます。
以前に根管治療をしている場合には、現在の根管充填の状態や被せ物なども確認します。
フィステルの位置と原因となっている歯が必ずしも患者さんの想像どおりとは限らないため、検査によって原因を絞り込むことが大切です。

できものだけではなく、その原因を調べます
フィステルはどのように治療する?
治療方法はフィステルそのものではなく、フィステルを作っている原因によって決まります。
代表的な治療について説明します。
根管治療
歯の神経が壊死し、根管内部の感染が原因となっている場合には、根管治療が必要になることがあります。
根管治療では、歯の内部の感染した組織などを除去し、根管内部を清掃・消毒していきます。
原因となっている感染が改善すると、それに伴ってフィステルも改善していくことが期待できます。
再根管治療
過去に神経を取って根管治療を受けた歯でも、再び感染が起こる場合があります。
その場合には、以前詰めた材料などを除去し、根管内部を再度清掃・消毒する治療を検討することがあります。
根管の形は非常に複雑なため、治療の難易度は歯によって異なります。
外科的な治療
通常の根管治療だけでは対応が難しい場合には、症例によって外科的な治療を検討することがあります。
どの治療が適しているかは、原因となる歯、炎症の場所や大きさ、これまでの治療歴などを確認したうえで判断します。
抜歯が必要になる場合
残念ながら、すべての歯を保存できるわけではありません。
歯根が大きく割れている場合や、感染・炎症の状態、歯を支える組織の状態などによっては、抜歯を検討しなければならないこともあります。
一方で、フィステルがあるから必ず抜歯になるわけでもありません。
だからこそ、最初から「抜歯になるだろう」と自己判断するのではなく、まず原因と歯の状態を確認することが大切です。

フィステルがあるからといって、必ず抜歯になるわけではありません
自分でフィステルを潰してもいい?
歯茎に小さなできものがあると、気になって指や爪などで触ったり、潰したくなったりするかもしれません。
しかし、自分で繰り返し潰すことはおすすめできません。
仮に膿が出て一時的に小さくなっても、原因となる感染が治ったわけではないからです。
また、口腔内を傷つける可能性もあります。
「潰せば治るできもの」と考えるのではなく、何が原因で膿が出ているのかを調べることが重要です。
フィステルがあっても歯を残せますか?
患者さんが特に心配されるのが、「フィステルができたら抜歯ですか?」という点です。
フィステルがあるという理由だけで、すべての歯が抜歯になるわけではありません。
根管内の感染が原因であれば、根管治療や再根管治療などによって歯の保存を目指せる場合があります。
一方で、歯根破折の状態や歯周組織の状態などによっては保存が難しいケースもあります。
歯を残せる可能性を判断するためにも、原因を確認することが第一歩になります。
こんな症状がある方は一度ご相談ください
次のような症状がある場合には、一度歯科医院で確認することをおすすめします。
- 歯茎に白いできものがある
- 歯茎にニキビのようなものができた
- 歯茎から膿が出る
- 同じ場所が何度も腫れる
- できものができたり消えたりする
- 押すと膿が出る
- 以前根管治療をした歯の近くにできものがある
- 神経を取った歯の周囲が腫れる
- 噛むと違和感がある
- 歯が浮いているように感じる
- 歯がグラグラする
- 痛くはないが長期間できものが残っている
特に「痛くない」ことだけを理由に、問題がないとは判断できません。

気になる症状が続く場合は、一度原因を確認しましょう
フィステルについてよくある質問
フィステルは自然に治りますか?
フィステルが一時的に小さくなったり、見えなくなったりすることはあります。しかし、原因となる感染や炎症が残っている場合には再発する可能性があります。「消えたから治った」と自己判断せず、繰り返している場合には原因を確認しましょう。
フィステルは痛くなくても治療が必要ですか?
原因によって異なります。痛みがない場合でも、歯根の周囲などに炎症が存在するケースがあります。まず診察や必要な検査を行い、原因と状態を確認して治療の必要性を判断します。
フィステルを潰すと治りますか?
膿が排出されて一時的に小さくなることはありますが、原因が歯の内部や歯根周囲にある場合、その原因まで取り除くことはできません。自分で繰り返し潰すのではなく、歯科医院で確認してください。
昔、神経を取った歯にもフィステルはできますか?
できます。過去に根管治療を受けた歯でも、根管内部などに再び感染が生じることがあります。以前治療した歯だから問題ないとは限りません。
フィステルができたら必ず抜歯ですか?
必ず抜歯になるわけではありません。原因や歯の状態によっては、根管治療や再根管治療などで保存を目指せる場合があります。一方、歯根破折など保存が難しい状態では抜歯が検討されることがあります。
フィステルと口内炎は違いますか?
口内炎とフィステルでは原因が異なります。見た目だけでは患者さん自身で判断しにくい場合があります。特に同じ場所に繰り返しできる、膿が出る、近くの歯に治療歴がある場合には歯科医院で確認することをおすすめします。
フィステルの治療期間はどのくらいですか?
原因や治療方法によって大きく異なります。根管治療が必要なケースでも、歯の種類、根管の状態、過去の治療歴、炎症の状態などによって治療回数は変わります。診察後に治療方針について説明を受けることが大切です。
フィステルが消えてから歯医者に行っても分かりますか?
診察時にできものが小さくなっている場合でも、これまでの症状や歯の状態、画像検査などから原因を調べられる場合があります。「消えてしまったから受診できない」と考える必要はありません。
成城学園前で歯茎の白いできもの・膿が気になる方へ
歯茎に白いできものやニキビのようなものを見つけても、痛みがなければ「もう少し様子を見よう」と考える方は少なくありません。
また、一度膿が出てできものが小さくなると、「治ったから歯医者に行かなくてもいい」と思うこともあるでしょう。
しかし、フィステルのような症状では、見えているできものより、その奥にある原因を確認することが重要です。
歯の神経が壊死しているのか、以前根管治療をした歯に問題が起きているのか、歯根が割れているのか、歯周病が関係しているのかによって治療方法は変わります。
成城歯科ファーストデンタルクリニックでは、歯茎のできものや膿について、周囲の歯や歯周組織を診察し、必要に応じて画像検査などを行い、原因を確認します。
フィステルがあるからといって、必ず歯を抜かなければならないわけではありません。
一方で、長期間放置することが歯を残すうえで有利になるわけでもありません。
「痛くないけれど何度もできる」「昔治療した歯の近くなので気になる」「歯茎から膿が出る」
このような場合には、まず現在の状態を確認することから始めましょう。
今回のテーマは、歯のフィステルを放置した場合の治療法です。
フィステルとは、歯肉にできる「おでき」のようなものです。

見た目は、白かったり、赤かったり、ぷくっと膨らんでいること多いです。
歯のフィステルの一般的な特徴は、歯肉の直径3から5ミリ程度の腫れ、歯からは数ミリ離れて腫れている、触っても痛くはないといったものです。
痛みが無いので気付かない場合が多いので、もしかしたら自分の口にも?と心配な場合は確認してみて下さい。
なぜフィステルが出来てしまうかを説明します。ひとつ目が、歯根が割れている場合です。
一度神経の治療を行うと、歯は割れやすくなります。
神経の治療後、力が加わったタイミングで歯根が割れてしまい、フィステルができます。
神経の治療後の歯に金属の土台を入れると、歯根が割れやすくなります。
また、噛む力が強い方や歯ぎしり、くいしばりのある方も奥歯の歯根が割れやすくなります。
フィステルができるふたつ目の原因は神経が死んでいる場合です。
深い虫歯の場合、神経ギリギリのところで治療をすると神経が気付かないうちに死んでしまうことがあります。
虫歯治療をした歯がいつになってもしみる感じがある場合、気付かないうちに神経が死んでいる可能性があります。
完全に神経が死んでしまうと痛みは消え、そして、症状がなくなった時にフィステルが現れます。
また、歯をぶつける等の外傷により神経が切断され神経が死んでしまうこともあります。
フィステルができる3つ目の原因は、歯の神経の治療がうまくいっていない場合です。
歯の中には神経が通っている管があるのですが、その管が曲がっていたり、狭窄してせまくなっていたりすると、
歯根の先端に膿が溜まり、フィステルができてしまいます。
また、一度神経の治療を行ってもまたフィステルが再発する場合は神経の治療がうまくいっていない可能性があります。
フィステルができる4つ目の原因は歯周病の場合です。
歯周病が進んでくると膿が歯茎から出てくるのですが、大抵は歯周ポケットの隙間から膿が出てきます。
ところが、歯周ポケットが閉じている場合は、フィステルができ、そこから膿が出てきます。
同じように、インプラントが歯周病になった場合もフィステルができることがあります。
インプラントも自分の歯と同じように歯周病にかかります。
インプラントと歯茎の隙間から膿が出ることが多いですが、
症状が悪化するとフィステルが現れ、膿が出てきます。
患者さんの中には、インプラントのケアは必要無いと考えている方もいらっしゃいますが、インプラントもご自身の歯と同じように丁寧なセルフケアと定期的な検診が必須です。
このように、
歯の根が割れている場合、虫歯や外傷で神経が死んでしまった場合、根の治療がうまくいっていない場合、歯周病の場合、根の先に膿が溜まります。その膿の出口がフィステルなのです。
フィステルは根の先に膿が溜まるとでき、破れて膿を出します。
破れると膿は無くなりますが、また膿が溜まり、腫れ、破れる、を繰り返します。
根の先にたまった膿の袋は徐々に大きくなり、周りの歯の根を溶かしたり、神経を死なせてしまったりすることがあります。
長期間そのままの状態が続いたフィステルは抜歯が必要になってしまうこともあります。
歯のフィステルを放置した場合の一般的なフィステルの治療法は感染根管治療です。
感染を起こした歯根の歯質を除去し、消毒し、最終的には歯の神経の代わりになる薬を入れて密閉し、菌を無くす方法です。
少しでも細菌に侵された根が残ってしまうとそこからまた細菌が増え、フィステルは治りません。
歯のフィステルを放置した場合、感染根管治療でフィステルが治らなかった場合などは、麻酔をし歯茎の方から切開して、膿の袋を取り出す方法もあります。
膿の袋を取り出した後は自然に骨ができてきます。
奥歯には根が2本3本に分かれており、歯のフィステルを放置した場合、そのうちの1本を膿の袋と一緒に抜歯する方法もあります。
この治療法を、下顎はヘミセクション上顎はトライセクションと呼びます。
歯のフィステルを放置した場合の治療法は歯の周りの骨が溶けている可能性もあるので感染根管治療ではなく、完全抜歯になる可能性もあります。
歯のフィステルを放置した場合の治療法は抜歯になってしまうことが多いので、早めに歯科医院で診てもらうことが大切です。
抜歯して歯が無くなってしまった場合には、インプラントやブリッジでの治療が必要です。
定期的にレントゲンを撮り、膿の袋が溜まっていないか確認することをおすすめしています。
「歯のフィステルの治療方法まとめ」
・フィステルの原因はいろいろ考えるため、原因の特定そのものが難しいので検査が必要になる。
・根管治療が必要な場合がある。
・破折している場合は抜歯が必要なこともある。
・治療には覚悟が必要。無症状であれば、治療せずに様子を見ることも選択肢になりえる。

