成城歯科 ファーストデンタルクリニックの平澤です。

6月23日に「義歯の磁性アタッチメント装置」の保険導入が決まったそうです。

約20年ぐらい前から入れ歯に磁石を使ってピタッとさせる装置があります。今まで自費だったのですが、今回これが保険導入されたそうです。

保険導入にはいくつかの方法があるのですが、メーカーからの提案ルートなどもあります。

入れ歯に磁石を使ってピタッとさせると聞くとすごく良さそうな感じがしますが、個人的にはあまりお勧めできない装置です。

理由としては

「入れ歯に入れらる大きさに限界があり肝心の磁力が弱い」

と言うのが一番大きい(個人的意見)です。

磁石としてはかなり高性能な物だと思うのですが、入れ歯を支えるのに十分かというと弱すぎる感じがします。

また入れ歯は微妙に動きますので、磁石同士が離れてしまいがちで磁力が発揮しにくいといったことも多いような気がします。

その他にも磁石の片側を歯に組み込まないといけないため、歯を削る必要があるなどは患者さんには抵抗のあるところでしょう。

また頭部のMRIでは画像に乱れが生じることがありますので、MRI撮影時には外すことになります。壊さないと外せない場合も多く、費用も掛かります。

磁石自体の材料費は高いですが作製自体は簡単なので、前評判通りであればもう少し普及するはずと期待しているのですが、残念ながら私自身は普段の診療の中で今までに2から3回ぐらいしかお見掛けしたことがありません。

それだけ利用されていないと言えると思います。

入れ歯用磁石が保険導入されてどれだけ普及されるのか、これからの動向に注目です。

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