今回のテーマは、
歯の染め出し自宅で出来る使い方です。


歯の染め出しをご存知でしょうか?

歯の染め出しは、専用の染め出し液を使って
磨き残しを調べるための方法です。


歯科医院に定期的に通院している方は、
よくプラークという言葉を耳にすると思います。

プラークとは、細菌の塊のことです。
歯垢とも呼ばれます。
プラークは、歯に残った食べかすではなく、
細菌の塊のことをいいます。

見た目は白や黄色で、
一見歯と変わらない色をしていますが、
器具などで触ると、ぬるっとした感触があります。

プラークには、わずか1ミリグラムの中に
1億匹もの細菌が潜んでいると言われています。

プラークを歯磨きで落としきれずに
歯に付いたままにしてしまうと、
虫歯の原因や、歯周病の原因になってしまいます。

そのプラークの付着を調べられるのが、
今回のテーマの歯の染め出し液です。
染め出し液は口の中のプラークを染め出すので、
歯磨きで磨けていない部分や、
自分の磨き癖や、歯磨きが苦手な部分が、
一目で分かるようになります。

歯磨きが苦手な部分が分かることで、
磨き残しを減らすことができ、
虫歯や歯周病のリスクを減らすことができます。


歯の染め出し自宅で出来る使い方を説明します。

歯の染め出し液は、薬局で購入できます。
インターネットの通販でも購入できます。

錠剤タイプと、液体タイプの二種類があります。

錠剤タイプのものは、
まず口の中で錠剤を噛み砕き、
粉々になったら錠剤を舌で歯の表面に塗ります。
その後、軽くうがいをしてください。

液体タイプのものは、市販の綿棒を使います。
まず綿棒を水で濡らし、染め出し液を2、3滴垂らし、
綿棒で歯の表面全体に染め出し液を塗ります。
その後軽くうがいをしてください。

うがい後、鏡で口の中を見ると、
プラークが染まっています。
染まっているところは磨けていないところです。
鏡を見て確認しながら、染まっているところを磨いていきます。


歯の染め出し自宅で出来る使い方には
いくつか注意点もあります。

染め出し液は布についてしまうとなかなか落ちません。
染め出しの後に口を拭くタオルは、
汚れてもいいものや、白以外のものをおすすめします。
服にもつかないように気をつけて下さい。

また、唇に付いた染め出し液も
完全にとれるまで半日ほど時間がかかります。
出かける前や、翌日大事な予定がある日も避けた方がいいです。
事前にリップクリームを塗ると、多少は
唇への染め出し液の付着を減らすこともできます。

洗面台に付くと取れにくい場合もありますので
気をつけて下さい。


染め出しが終わったら、
次は染め出された部分を磨いていきます。
歯磨きして磨き残しが取れると、
染め出されたところもキレイに取れます。

磨き残しが付きやすい代表的な場所は3か所あり、
その場所に応じておすすめの磨き方があるのでお話します。


ひとつ目は、歯のかみ合わせの溝です。
磨き残しが付きやすく、虫歯になりやすい場所でもあります。

歯ブラシを噛み合わせの面にしっかり当て、
大きく動かすのではなく、
一度に1、2本ずつ磨くように小さく動かしてください。


ふたつ目は、歯と歯肉の境目です。
ここに磨き残しが残ってしまうと、
虫歯だけではなく、歯肉の腫れの原因にもなります。

ここを磨く時は、歯ブラシを真横から当てるのではなく、
歯肉に向けて45度傾けるようにして動かして下さい。
歯と歯肉の境目に歯ブラシを当て、
歯肉も一緒に磨くように磨きます。
この時、強く磨きすぎると歯肉に傷が付いてしまうので、
必ず優しい力で磨いてください。
一度に1、2本ずつ磨くように小さく動かします。


3つ目は、歯と歯の間です。
歯と歯の間の磨き残しは歯ブラシだけでは取り切れないので、
デンタルフロスや歯間ブラシを使用します。

歯間が狭い方はデンタルフロスを使います。
歯と歯の間に糸を通して歯間のプラークを取るためのものです。

歯間は、歯の頭に近い方は狭くきつく、
歯肉に近いところには少し歯間が広くなっているところがあります。
きついところは糸を前後にスライドさせながらゆっくり入れ、
歯間が広い部分に到達したらフロスで歯面をゴシゴシこすります。


歯肉が下がっていたり、元々の歯並びで
歯間が広い方には、歯間ブラシがおすすめです。
歯間が広い方は、デンタルフロスのケアでは
磨き残しが取り切れないことがあります。

歯間ブラシは、歯と歯の間に歯間ブラシを入れて、
何度かゴシゴシ前後に動かして使います。

歯間ブラシは、SS、S、M、Lのように太さが分けられています。
自分の歯間の広さに合わせて、
適した太さの歯間ブラシを使うことも大切です。

大きく開いている歯間に、
SSの細めの歯間ブラシを通しても、
歯間ブラシの毛先が歯面にしっかり触れず、
磨き残しがなかなか取れなかったり、
狭い歯間に無理にMの太めの歯間ブラシを通すと、
歯茎を傷つけたり、痛みが出る原因になったりします。



今回は歯の染め出し自宅で出来る使い方についてお話しました。
毎回の歯磨きで歯の染め出しをする必要はありませんが、
たまに行うと、自分のブラッシングの癖が分かります。
興味のある方はぜひ自宅で染め出しをしてみてください。

うまく磨けない部分があれば、
当院の歯科衛生士にご相談ください。


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