ファーストデンタルクリニックの平澤です。
今日は 歯の神経(根管)の治療の流れ についてご説明します。
■ 神経の治療とは?
歯の神経の治療は、虫歯や細菌の感染によって傷んでしまった
歯質や神経を専用の器具(リーマー・ファイル)で丁寧に取り除き、根の先にできた病巣を治す治療 です。
虫歯が歯髄まで到達した場合や、根の先に炎症が起こった場合に必要になります。
■ 治療の流れ(目安)
※歯の状態により回数・期間は前後します。
1日目
・被せ物を外す
・膿が溜まっている場合は排出します
2日目
・根の中を1本ずつ丁寧に清掃し、消毒します
3日目
・炎症や痛みが治まっていることを確認
・問題なければ最終の薬を詰めます
(※症状が残る場合は再度2日目の処置に戻ります)
4日目
・土台を入れられるように歯を整え、型取りします
5日目
・歯を補強する土台を装着
・かぶせ物が入るよう歯の形を整え、再度型取りします
6日目
・かぶせ物を装着し、治療完了です
■ 治らない場合とは?
症状がなかなか改善しない場合、
・歯が割れている
・根の形が非常に複雑で器具が届かない
といった理由で、治療継続が難しく、抜歯が必要になるケース もあります。
よくある質問(Q&A)
Q1. 歯の根の治療の費用は?
A1.
海外(欧米)では根管治療は自由診療で 10〜30万円 が一般的。
そのため、難しい場合は抜歯になることも多いと言われています。
日本では多くが保険適用のため、
約8,000〜15,000円 で受けることができます。
Q2. 自分で気をつけることはありますか?
A2.
根の中の形は複雑で、患者さん自身が良くすることは難しいですが、
虫歯や歯周病を予防することで、歯を長持ちさせることができます。
定期的な予防がとても大切です。
Q3. 前の歯科医院で根の治療が長引いています。
A3.
根管治療は とても難易度が高い治療 です。
根の中は見えず、形も人によって全く違うため、細菌を完全に除去するのが難しい場合があります。
長引くのは珍しいことではありません。
Q4. 歯の根の治療で難しいケースとは?
研究(Sjogren U. et al: J Endodon, 1990)によると、
-
神経を初めて取る治療 → 成功率96%
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感染した根の初回治療 → 成功率86%
-
感染した根の再治療 → 成功率62%
この研究からも、再治療は難易度が高い ことが分かります。
また、経験的に
-
一度腫れや痛みが出た歯
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奥歯(前歯に比べ根が2〜5倍複雑)
は、治療が難しい傾向があります。
逆に、
・前歯 ・痛みや腫れが出たことがない歯
は経過が良いことが多いです。
これからも大切な歯を守るために、ぜひ定期的にチェックしていきましょう!




