先日、ある患者さんから外れた顎を入れた感謝のお言葉を頂きました。いれたのは、随分前の話です。

自分は外れた顎を入れるのは得意な方なのですが、多くの歯医者は入れるのが苦手だと思いますwww

そのため歯の治療中に顎が外れて戻せずに苦労していた話をときどき聞きます。

今回は歯科医師向けの内容です。

歯医者が外れた顎を戻せない理由

間違った方法を歯科大学で習っているのでそのまま実践してしまい、戻せません。

また、外れた顎を戻す機会自体が少ないため慣れることがありません。

これを読まれている一般の方は温かい目で見守ってください。

外れた顎を入れるための間違った方法

よく習う間違った(と自分が思っている)戻し方があります。

ステップ① 両手で下顎をしっかり持つ

ステップ② 下に強く引き下げる

ステップ③ 下顎を下げたまま後方に押し戻す

この方法では戻りません。

なぜかというと、顎が壊れそうなぐらいけん引するため、患者が激しく緊張して抵抗するため戻すことが出来ません。

緊張するので歯科医も患者さんも汗だらだらになります。

外れた顎を簡単に入れる方法

自分なりの方法です。

ステップ① 親指を口の中に入れて下の奥歯(なるべく後方、歯が無ければ歯肉)にのせる。他の4本は下顎を口腔外から軽く持つ。間違った方法と見た目は変わらないと思います。

ステップ② 患者には口を閉じてリラックスするよう指示する。顎をグラグラさせて緊張度を見てもいいかもしれません。

ステップ③ 親指で奥歯を下げながら、他の4本の指で口を閉じさせる。回転させるイメージで顎を入れます。顎関節のロックが外れると、一瞬で戻ります。力を入れれば入れるほど、患者さんは緊張して戻らなくなるので、力を入れ過ぎないのがコツです。

よく外れる患者さんには、自分で戻すよう指示します。自分でやるには片手になるので、かなり慣れが必要だと思います。

とにかく口を閉じさせるのが目的なので、開く方向に力を入れるのはナンセンスだと思います。

ただ顎が外れる方は多いと思いますが、外れたまま来院される方は少ないので、自然に戻っているのではないかと推察しています。