なぜ歯科でコロナ感染が起こらないのか?その2
先日、日本歯科医師会アンケートで新型コロナウィルスに関してアンケートが行われたそうなのでご紹介させていただきます。
■「不安に感じる」理由(「不安に感じる」+「やや不安に感じる」の男女合計値)
「治療や健診では、口を開く必要があり、感染リスクがあると思うため」と回答した人は76.5%。
「歯科医師や歯科衛生士と近い距離で治療や検査を受けることになるから」と回答した人は58.5%。
「待合室などで他の人と一緒になるので、感染リスクがあると思うため」と回答した人は46.3%。
「自分が感染しているかどうかわからないので、感染させるリスクがあるかもしれないため」と回答した人は44.7%。
「機材や器具などの衛生面が気になるから」と回答した人は25.9%。
「待合室や診療室の換気が十分でないと思うため」と回答した人は18.9%。
『解説』
新型コロナウィルスのみならず歯科治療にて感染リスクが高いというデマ報道は過去に何回もあり、その度ごとに言われ無き批判に晒されてきました。
しかし、現実問題として歯科治療が原因による院内感染というのは、私の知る限り30年以上発生していません。
もしそれほど感染リスクが高いのであれば、コロナ以外にも最前線で働いている歯科医師と歯科衛生士の院内感染事例が出てもおかしくないでしょう。
新型コロナウィルス以前からの様々な感染リスクに対して歯科では対応してきました。そのノウハウが新型コロナウィルスに対しても有効のため、歯科治療で感染する事案は発生していない(令和2年10月時点、プライベートで感染した歯科関係者はいますが、治療により感染したという事例は無い)というのが私見です。
また入院病棟の看護などと比較すると、診療室自体を感染予防しやすい環境ではないかと思います。
■「不安に感じない」理由(「不安を感じない」+「あまり不安を感じない」の男女合計値)
「かかりつけ歯科医を信頼しているため」と回答した人は44.5%いました。
「機材や器具なども衛生面で十分に配慮されていると思うから」と回答した人は35.1%いました。
「これまで歯科医療機関で感染したという報告がないため」と回答した人は27.3%いました。
「歯科医師や歯科衛生士がフェイスシールドなどで防護しているから」と回答した人は15.2%いました。
「歯科医療機関は高度な感染対策をしているから」と回答した人は14.0%いました。
「かかりつけ医師から『大丈夫だ』といわれたから」と回答した人は4.0%いました。
■「インフルエンザや新型コロナウイルス」と「歯と口の健康」との関連性への認知度
「歯周病を放置すると歯周ポケットという深い溝ができてしまい、細菌の温床となり、ウイルスが感染しやすくなる可能性があること」を知っていると回答した人は39.5%いました。
「歯磨きなど口腔内を清潔にすることで、インフルエンザへの感染リスクを下げること」を知っていると回答した人は23.6%いました。
「舌磨きなどが新型コロナウイルス感染の重症化リスクを軽減できる可能性があること」を知っていると回答した人は7.3%いました。