レジン 治療 2
(前エントリーのつづきから)
次に「レジン治療が普及しないのは、
銀歯治療のほうが収入が良いので歯科医が
したがらないからだ」と言う点ですが、
残念ながらそうともいえません。
と言うのは確かに銀歯の方が売り上げはいいのですが、
銀歯を作るための材料代、模型代、加工代、金属代と
衛星士さんにしてもらうのであれば人件費がかかります。
そのようなことを考えると、レジンと銀歯では
残るものは同じかレジンのほうが少し高いぐらいではと
思います。
確かに大昔のように歯医者に患者さんが
あふれていたような時代には、たくさんのスタッフを
雇用して銀歯で治療したほうが経営効率が
良かったのかもしれません。
ところが今は患者さんはそれほど多くありませんし、
レジンで治療したほうが効率と思います。
以上のようなことを論じる前に、だいたい利益優先のために
銀歯にしていたら評判がた落ちで逆に患者さんが
来なくなってしまいますよ。
あともう一つ、レジン治療にはハイブリッドレジンを
使用した自費治療も一部あります。
テレビに出てきた歯科医の中には、正確には
分かりませんが自費のレジンを使用している先生
もおられるようで、保険治療と混在した扱いになって
いるようでした。
今日は早速この話題をふってくる患者さんが
いらっしゃいましたので長文になりましたが
アップさせていただきました。
レジン 治療 1
ファーストデンタルクリニックの平澤です。
昨日の夜のニュースで「レジン治療」の特番があり
見ました。
感想としては、こんな風に番組ってできるんだと
妙に感心しました。
番組の内容は
「小さい虫歯の治療にレジンというプラスチックの
材料を使う」
そのとおり
「同じようなケースで保険では銀歯の治療もできるが
、レジンは銀歯と治療効果は変わらない
(どんなケースでもレジンで治療できる
と言わんばかり)」
なぬ?
「こんなに良いレジン治療が普及しないのは、
銀歯治療のほうが収入が良いので歯科医が
したがらないからだ」
いやいやいや。。。。
いうやってマスコミによって歯科医師は悪い
と刷り込まれるんだなと妙に関心。
まず治療効果が変わらないと言う点ですが、
それは後ろ向きの研究結果となっているのです。
通常、適用が違うので{小さい虫歯はレジン}
{中くらいの虫歯は銀歯}で治療します。
もちろん保険の場合です。
自費治療でしたらセラミックで白くできます。
これを{小さな虫歯でも銀歯}、{中くらいの虫歯
でもレジン}で治療したらどうでしょう?
恥ずかしながら歯科医師になって間もないころ
{中くらいの虫歯でもレジン}で治療したことがあります。
本当にカンタンに取れてしまいます。
カンタンとは1日?長くとも1週間で取れます。
いくら歯を削る量が少ないと言っても、すぐに
取れてしまっては話になりません。
と言うわけで、いくら治療効果は同じといっても
もともと条件が違う訳ですから話になりません。
こう言ったことを見逃していると騙されてしまいます。
(つづく)
医療の値段
ファーストデンタルクリニックの平澤です。
レーシック手術の感染が事件になっていますが、
聞くところによると随分安い治療費で提供していたようです。
もちろん安いことは患者さんにとってうれしいことの
ひとつと思いますが、治療となると値段以前に質が
重要です。
当院でも電話で治療費の値段の問い合わせが
ありますが、「まず値段から」と考えて本当に大丈夫でしょうか?
沢山の患者さんを少ない機械で治療しようとなれば
面倒な感染予防も手が回らないでしょうし、
診療を休んで学会に行く余裕もありません。
時間もなければ、知識もない。
そうなれば今回のような事件が起きるのも
無理ないと感じています。
以前、詳しい方から治療ごとの利益を計算するエクセル
シートを頂き、計算したことがあるのですが、思った以上に
利益が少ないことに驚いたことがあります。
材料費・治療回数がかかるからこの値段なのです。
製造業と違い、機械化による大量生産で質は落とさずに
コストダウンすることは医療にはできません。
そう考えると安い治療費で提供している医療機関
の場合、どこかを大幅に削っているわけで
そのシワ寄せがどこに出てくる覚悟は必要ではないでしょうか?